マンガレビュー8月

「ハチミツとクローバー」 5 羽海野チカ 集英社



略称「ハチクロ」、作者名は「うみの」です。
教えられて読んだのですが、そこはかとなくよろしいですな。
コミックキューでこの方の短編を発見しましたが、計り知れない実力を感じます。
のだビレ」(のだめカンタービレの勝手な略称)と同じく、大学を舞台にした
青春グラフィティー(ああこう書くとずい)。
やはり天才たちの群像なんですけど、「のだビレ」よりもう少し繊細
もう少し傷ついています。
特に「はぐみ」はいいキャラです。
一個ほしい。
よく「何のために大学に行くのか」なんていう人いますが、
この二冊読んだら目的がはっきりわかります。
利害関係の希薄な他人同士が,つけられたりつけたりしに行くのです。
ああ甘酸っぱい。(博多弁で言うと「酸いたらしかぁー」)
そんな思い出を作らせてくれたスポンサーに感謝。


「万祝」 1 望月峯太郎 講談社



前作「ドラゴンヘッド」からけっこうなインターバルでした。
今回は趣がずいぶん違います。
一ヶ所に止まらないこの作者の、とらえどころの無さをよく表わしています。
(基本はギャグですけど)
なんか宝島がどうのってポイですけど。
これもドラゴンヘッド同様、出だしだけではどこに主眼が置かれて何を描こうとしているのか
さっぱりわかりません。
そこが最大の魅力なんでしょう。
この振り回される感じがたまりません。
とりあえずこの女の子は健康的で素敵です。
相かわらず絵は下手ですが。


「破壊魔定光」 8 中平正彦 集英社



最初はきっと
「巨大な力を手に入れたヤンキーが、そんなことお構い無しにごく私的な正義の行使を上等、ヨロシク!」
みたいな軽いノリで短く終わる予定だったと思うんですが、
神代やよい(実は母親、そして同級生)がパンチラで登場したあたりからいきなりドンと来ました。
相当高度なSF用語が飛び交って、はたして皆ついて行ってるのかしらん
と思うほど説明無しに話は爆走しています。
大気圏内でマッハ200とかで
「そんなん第二宇宙速度超えてるやん」と突っ込んでよいものか、
ハードなのかスチャラカなのか判断がつきません。
でも絵はダイナミズムあふれ、とても魅力的です。


「プライド」 1 一条ゆかり  集英社



オペラの世界です。
やはり年相応に高尚な方向へ・・・・・ということはありません。
あくまでも恋愛至上主義です。
この方は結構なマンガ履歴の有るベテランですけど、
描線もお話も古くなるどころかますます冴え渡り、ずっと第一線級です。
きつい女を描かせたらピカイチの、まさにこの「プライド」というタイトルに
ピッタリの主人公の設定は、
すでに功なりを得てなお且つ進み続ける御自分へのエールのように思えます。
はたしてあと何年このテンションを維持できるのか、ユーミンが先かこの人が先か、
の世界って大変。


「放浪ノ双生児」  内田美奈子 集英社



デビュー当時は「御厨さと美」そっくりの描線で、
ストーリーも固かったんですけど、時を経てどんどん少女漫画っぽく変化してますね。
まるで「遊人」の変容ぶり(たとえがい)
集英社ですけど本が見つからない事この上なし。
ああ「ブームタウン」の続きが読みたい。
これ1と書いてないけど続きが出るのかな、もしやまた尻切れトンボ?
わりと早くからCGを使用されてますが、使いやシースルーの表現など
個人的には好感が持てます。(やっぱりちょっと固いけど)


「マジカノ」 1 百瀬武昭 講談社



これ表紙には見えてませんが、表紙以外の全ページで
パンチラが見られます。(パンもろかも)
えっと、魔女ッ子でメイドで同級生の落ち物系です。
(降って湧いたようなスキル高めの女の子が同居するパターンをこういうらしい。)
はーーー
開いた口が塞がりませんねー。
HPのReなんかでは結構硬派な受け答えをされてるんですが・・・・。
確信犯


「ツバサ」 1 CLAMP 講談社 



以前から「CLMPはパクリの天才」という批判が見られたのですが、
ちょびっツ」による青年誌でのブレイクから、もはやその必要がなくなったのか、
はたまたネタ切れか、なんと自己パロディーに走りました。
主人公が「さくら」と「小狼」ですから、またカード集めるのかと思いきや、
アベノ橋魔法商店街」だったのです(あ、やっぱりパクリ?)。
どうもメジャー連載は持ち回りのようで、少年誌にこの方の絵はちょっと合わないような気もします。
下の「XXXHORIC」ともシンクロしていますし、登場人物はすべて過去のCLMP作品から。
これは、「全部買えよ」というサインと受け取っていいですね。
なにせ食い扶持が四人分以上いりますからねぇ。
でも買ってるし、


「XXXHORIC」 1 CLMP 講談社



こちらは青年誌ですからすこしエッチ度アップですが、ちょびっツほどの実用性はありません。
こんなきれいなものと「カイジ」「おっぱいジョッキー」が同じ本に載ってるのが不思議ですね。
この妖しいおねいさんは、巫女のような占師のような、クロウリードさんと同業らしいです。
これも基本的には落ち物系なんですが、さすがに女性は視点が逆なので
スキルの低い(実は秘めたるポテンシャルがある)男の子を育てるというか
いじって遊んでます。
ああられたい。
被虐願望まで逆手に取るところがあざといですね。
今のところ大きなテーマは見えませんが、少々実験的な作品群なんで
いつでも終われるように配慮があるのかも。


「ホムンクルス」 1 山本英夫 小学館



もう2巻は出ないかもと思いましたが出るようです。。
御存知と思いますが、大麻関係で執行猶予みたいですね。
読んでみてひさしぶりに「ゾクッ」と来ました。
頭に穴を開けると世界が違って見える、それも
なんとも異様に・・・・・・。
この感じは「寄生獣」の時に似ています。
もしくは井上揚水「傘が無い」以来。
だから大麻はあまりに似合いすぎ、その力で描いたんならがっかりだな。
小学館てイメージはおとなしいわりに、
意外とこういう事件多くありません?「沖さやか」とか「遊人」とか。
あんまり管理しないんでしょうね。