5月マンガレビュー

「ガタピシ車でいこう!!」 3 山本マサユキ 講談社



一時「エンスー」という旧車マニアが脚光を浴びたこともありました。
世の中変な趣味を持つ困った変態が多いものです。
この作者はかなりの重症、もはや屑鉄にしかならない古い車にとり憑かれています。
この世界では、古ければ古いほど、故障が多ければ多いほど偉いのです。
(行き着くところはT型フォードか)
レストアの名をかたる「家内製自動車手工業生産」を趣味とする人にはバイブルでしょう。
手抜きのヘロヘロの絵ですが、車はどんなにいい加減でも車種が判別できます。
これは本当はとてもデッサン力があるということですね。
さすがにデザイナーあがり。
車ほど画力を知らしめるモノはないですから。
ちなみに私はいすゞのジェミニを14年、ホンダのXL250Rを19年乗り続けていますが、
これは単に金が無いだけで古い車が好きなわけではありません。
でもXLの重い鉄フレームがいいんだよなぁ・・・軽合金じゃないところが・・・・。


「国がえる」 2 本宮ひろ志 集英社



ひさびさに「萌える」ではなく「燃える」に変換しました。(笑)
昭和初期のお話。憂国の士「本宮ひろし」本領発揮というところです。
こうしてみると、不況の平成と昭和の初めの状況はとてもよく似ています。
まさに時代は繰り返す。
本宮なりの政治改革案をぶち上げるものと思われます。
今までの本宮作品と少し異なる所は、主人公が文系で男気もからっきし・・・というところです。
まあいずれは口に斜線を入れて人をぶん殴ることになるのでしょうが、
今のところ「」のような深いお話に発展しそうな雰囲気です。
蒋介石」や「張作霖」「石原莞爾」などのキャラクターの描き方に、
この人の政治的ポジションが垣間見えます。


香クリニックへようこそ」 1 みやすのんき 集英社



ひろもりしのぶ」のPNでクラリスの同人誌なんか出していた頃から考えると、
この人ももういい歳なんですよね。
今でも第一線でエッチ系マンガを描いておられるところが偉い!
絵もストーリーも、手抜きと気合入れたときの振幅があまりに大きい氏ですが、
扉絵そのままコピーを使ったりとあなどれません。(笑)
読者の欲望を満たし、なおかつまじめな(?)ハウ トゥー セックスもの・・・ということで
ふたりエッチ」路線ですね、あからさまに。
私らの頃は「週刊プレイボーイ」が教科書だったんですけど、
今はこんなの真剣に読んで勉強するんだ、ふーん。


「勇午」 21 画 名修 作 真刈信二 講談社



とてもうっとうしいマンガです。
硬質な描線と、複雑な政治状況に絡むストーリー。
「人を殺さないゴルゴ13」とでも表現しましょうか、
まだ耳新しかった「ネゴシエーター(交渉人)」をいち早く主人公に据えるあたり
原作者は時代にとても敏感で、舞台もよく現代の政治状況を取り入れています。
このあたり、読みこなせると自尊心をくすぐられますね。
今回は、パリを舞台にユダヤとイスラムの対立の交渉です。
これまた世界一こじれた揉め事に首を突っ込むところが
うっとうしいですね。
勇午の真意が見えなかったり、よく死にかけたりするところもゴルゴみたいです。


「ROSE HIP ROSE」 2 藤沢とおる 講談社



ミニスカの女子高生(17歳)に銃器ということで
ちょっと食傷気味のストーリーです。
すべては絵でカバーですね。
でも良く考えたら「あずみ」だっておんなじ様なもんですから。
これは男の夢、「ああ女神様パターン」の変形でしょうか。
でもこの格好でテロリストの群れに飛び込むのはいかがなものかと・・・。
一応プラスティック弾使用で「人は殺さない」設定だったはずですが、
もう2巻にして皆殺ししそうな雰囲気。


「AKUMETU」 2 画 余湖裕輝 作 田端由秋 秋田書店



原作者の「田畑由秋 」製作のバトル野郎というプライベートフィルムがあります。
とてもアマチュア(?)作品とは思えぬハイレベルなCGを使ったすごいものです。
街角を行く下駄履き道着のバトル野郎が、いきなりサラリーマン風の謎の男とバトルをはじめる、
やがてどんどんエスカレートして行き、宇宙戦争まで発展。
これがわずか20分足らずに詰め込まれているんですけど、
あまりにすごいアマチュアフィルムは、へたなプロ作品に見えてしまい評価は高くありません。
ただ、画面からあふれる破壊衝動は痛いほど感じられます。
この作品でも社会に対する直線的な怒りを、あらゆる設定を無視してでも
ぶちまけようをするパッションで満ちています。
悪を滅する「アクメツ」と名乗る仮面の男。(死んでも生き返る?)
天下り官僚を、県警キャリアを、派閥のボスを、ただ気に入らないから悪だ!と断定して
撃ち殺すのです。
明確な悪の見えにくい時代、どの辺まで悪いやつだと認定するのか難しいところですが、
果たしてどうお話を畳むのでしょうか。
破綻しそうなときの「島本和彦」みたいですね。


「阿佐谷腐酢学園」 SABE ワニマガジン社



このタイトルからして半ばヤケクソ気味だと思われます。
作者のテーマである「土手の低いブルマー女(目がきつめ)」「ペンギン」「バトル」を
前面に押し出した趣味性の高いギャグ作品です。
でも笑えません。
果たして日本に何人ストライク入る人がいるのか不明。
串やきP」の打ち切られ方もひどかったし、別れた女房の評価は(南Q太)高まる一方。
読んでて少し恐くなりました。
いったい何処へ行くのか、早く道が見つかるといいです。
はぁ〜カリンペン、カリンペン

ということで、今回は辛口批評特集でした。
もし本人が読まれても気を悪くなさらないように、
特集ですから。

じゃ書くなよって・・・・・悪口は書かないように誓ったのに・・・・
私もやばい状態なのかも。(笑)