マンガレビュー3月


「夜の燈火と日向のにおい」 7 鬼魔あづさ 少年画報社



お店の本は一見アトランダムに並んでいます。
しかしそれは解る人には解っていただけるよう意図を込めて並べてあります。
今回新しくコーナーを設けました、それは「癒し系」。
このマンガこそそこにふさわしいものです。
第一回でいきなり死んで(笑)幽霊となった女子高生が主人公。
出自が「エロ」の方ですから、そっちのほうへ行くのかと思いきやそれほどでもない。
これが「集英社」なら「幽遊白書」となるでしょうし「弓月ひかる」ならギャグにはしるでしょう。
永久保貴一」なら退魔師との戦いになるところなんですが、
どこにも行かない!
というか何にも起こらない!
それどころか主人公の顔すら安定せず、毎回表紙が同じ人物とは思えない。
こんないいかげんな(失礼)マンガを描くのはきっと女性に違いありません。
検索しても釈然としなかったんですが、自画像のむさいおっさんはウソで、きっと
女の人だと思います。
もし違ったら俺は腹を掻っ捌く
(いや今風にリスカの方がいいか)


「THE ビッグオー・ラストメモリー」 1 画 有賀ヒトシ 作 矢立肇 講談社



WOWOWで13話無料放送されたアニメからのコミカライズです。
低予算からの苦しい企画でありながら出来はすばらしく、
日本よりむしろアメリカで高い評価を受け、続編が作られることとなりました。
最近の流行にのっとり、だらけの「引き」だったのですが、
エヴァにしろなんにしろ、謎が解き明かされてみれば「なーんだ」という感じで、
気合を入れれば入れるほど拍子抜けの感が否めません。
それはさておき
さて置き
なんといってもこの作品の魅力の半分は「アンドロイド・ドロシー」です。(断言)
マンガ版の続編ではどうでしょう・・・・
これはこれで・・・・・・・・・萌え・・・・・。


「蒼天航路」 27 王欣太 講談社



いわずと知れた「三国志」の、コペルニクス的転回の大作です。
作者は昔「GONTA」のPNで一風変わった癖の強い作品を描いておられる方でしたが、
この一作で一気に大メジャーの名を不動のものにしました。
驚くべきはこのレベルの作画で週刊連載であること、
毎週一回はイラストのような決め絵が必ずあって、それも恐ろしく力強い
画力だけで言うなら台湾の「鄭問」が上かもしれませんが、「まんが力」はあきらかにこちらが上。
ストーリーはほとんどの方がご存知なので、よくこれほどダレずに続けられるものだと感心します。
まだまだ話途中ですが、いったいどこまで描くんでしょうね。
曹操が死ぬとこまで?
だとしたら大変だなあ。
血管切れそう。


「ヒートガイ・ジェイ」 画 御祗島千明 作 赤根和樹



メインキャラクターは、むっさいおっさん型アンドロイドの「J」です。
こんなの今時誰も見たがらないというところなんですけど、
作者はエロ畑の方なので、出てくる女の子みんな必要以上に露出が高くなっています。
こっちでは放映されていませんが、アニメ企画ものです。
見田竜介」さんと一緒の同人サークルのようで、なるほどそういう作風です。
艶のある流れるような描線を楽しみましょう。


「私家版鳥類図鑑」 諸星大二郎 講談社



」をモチーフにした短編集、筆者の最新作。
とはいえ、初出はもう3年以上も前ですから、どこが最新作だかわかりません。
絵は相変わらず10年前も20年前とも変わりなく下手です。
しかしよくもまあこんなに妄想力の続くものだと感心します。
ごく初期の作品「生物都市」で、生物と無生物が溶け合うという
あまりに斬新で異様なイメージに、SFファン総動員でその原典を探したそうです。
しかし全くのオリジナルであることが判り、ますます評価を高めたという経緯があります。
出た本は必ず買ってしまう作家が何人かいますが、この人もその一人。
私的には諸星(もろほし)がマイナー扱いされることが解せませんが、
世間的にはカルト扱いのようですね。
こうしてコンスタントに本が出るということは、固定ファンが一定数いるということ、
きっと発行部数も決めやすいことでしょう。
ですからクオフに出ることもまれです。