マンガレビュー1月

「π パイ」 1 古屋兎丸 小学館



主役はこの表紙の娘じゃなくて、かっこいい男の子なんですが
ほぼ完全に壊れています。
究極のおっぱいフェチ、「π理論」の完成を目指すヲタの内面を描いています。
よくあるバカ系マンガのように見えるのですが、実に哲学的。
登場人物全員に通じる世間とのズレ加減は、
よくある実際のズレを拡張しただけで、思い当たるふしはどなたにもあるでしょう。
というわけで(どういうわけで?)今月は演繹法に基づくSF特集です。


「ウルトラジャンプ メガミックス」 アンソロジー 集英社



本が売れません、
子供人口の減少もあるでしょうが、ジャンルが細分化されすぎて横の繋がりが希薄になり
袋小路に入り込んでいる気がします。
ウルトラジャンプ自体が数万部しか(集英社的には)売れない雑誌ですが、
そこから派生し、作家にSFやファンタジーを(個人的にこの二つを一緒くたにされるのはキライ)
好きに描かせたこのようなアンソロジー本は、まさに豪華同人誌
カラーページ入り¥838を、安いと見るか高いと見るか。
また一つ、ニーズという名の袋小路が出来ました。


「クロノアイズ グランサー」 1 長谷川裕一 講談社



クロノスアイズの後日談です。
本来は取り上げるほどでもないのですが、「コミケ破壊指令」の回が
異常に面白かったので紹介します。
ジャパニメーション(笑)の流行によって、
世界平和が達成された未来から来た考古学者の言動が最高です。
これと同じような事を以前日記サイトのスレッドに立てたことが有り、
同じような事考える人がいるんだと、うれしいような、現実にはったような・・・・。
コスプレで出会った若き日の両親も出てきて、イタイ話ではあります。


「きみのカケラ」 1 高橋しん 小学館



もう完全にこっちの人になっちゃったんでしょうか。
いいひと」には戻れません。
高い崖に囲まれた暗く高い雪の降る台地、そこに暮らす虐げられたお姫様
なんともすごいイメージ、妄想力の大きさを感じます。
マンガの描き始めがもしこのような方面からならば、
この作家はきっと袋小路に押し込まれていたかもしれません。
正体は後々まで隠しておいた方がいいですね。
私がまんが喫茶店主としてダメな所は、こういう人から買ってしまうことです。


「ソラリウム」 1 伊藤圭一 集英社



イラストレーターとしては有名なのだそうですが、
必ずしも「画力」と「マンガ力」とは一致しないという法則を具現しています。
お話のテンポも感情表現もヘタで、そうなると
メカデザインまでダサく見えてしまうから不思議です。
でも買います。
それはSFだから・・・。
「マンガ力」というのは、芸能人で言う所の「」みたいな物で、
説明は出来ません。


「魔法遣いに大切なこと」 1 画 よしづきくみち 作 山田典枝 角川書店



これはむしろ「」だけで描かれたようなお話です。
魔女の宅急便」みたいな(笑)ストーリーですが、大きく違うところは
公務員という所ですね、そうするとむしろ「サトラレ」に近いか・・・。
「良いお話」なんですが、これでマジに感動してしまえる人は、
「ああ女神様」でも感動してしまえます。
ヤヴァイです。


「ホーリーブラウニー」 1 六道神士 少年画報社



ちっちゃな可愛い天使二人組みの
掛け合い漫才です。
人や世界の運命を左右する大事な場面で現れるのですが、
思いっきりブラックで、破戒的で、
世の中をはすに観ると言う事はどういう風にするかというお手本です。
「エクセルサーガ」にしても、表紙から伝わる印象と、
本の中身は一致しませんから。
編集の人はコントロールに苦しんでいる事でしょう。