9月マンガレビュー

「エマ」 1 森薫 エンターブレイン



第一話を読んだとき、ドキューン・・・と前頭葉を打ち抜かれた感じがしました。
どうもホローポイントだったようで、脳髄はメイド萌えでぐちゃぐちゃ、
自分の中のフェチを呼び起こされた気がします。
そういう人もきっと多いでしょう。
作者は女性、(森薫HP)根っからのメイド愛好者のようです。
しかしその愛は、決してアガペーではなく、エロスのそれです。
もちろん男性のとは違うでしょうが、淫猥な雰囲気が漂います。
少女漫画的文法でありながら、現時点ではメイドマンガの最高峰
19世紀の普通の恋愛物語なんですがね、
みんな間違ってますよ。


「ナックルボンバー学園」 1 川島よしお 秋田書店



この方の単行本はほとんど持ってますが、はっきり言って
どう面白い?」と尋ねられると困ります。
じゃなぜ買うかというと、不思議な色気を感じてしまうからなのです。
ネタ的には下品で直線的なのですが、とても健康的なんですね。
その意味では「エマ」のとも言えるでしょう。
だから決してお使いにはなれません(なんに?)
ギャグはベタなものあり、意表をついたものあり、
作者本人の偏った趣味から来る天然物と思われます。


「遠藤浩輝短編集」 2 遠藤浩輝 講談社



絵もそうなんですが、お話作りにもとても真面目な方なんでしょう。
短編集は2冊目ですが、明らかに進歩しています。
テーマはSEX、バイオレンス、メカ、文明批判、
こう書くと気恥ずかしく陳腐になってしまいます。
それを自覚されてか、いつもハシラやあとがきには過激なアオリ。
照れ隠しというよりも、吹っ切るための心の叫びなんでしょう。
きっともっと上手くなる人だと思います。
これからSFへ行くのか青春ドラマへ行くのか、両立できるのか、
失礼なたとえかも知れませんが、不器用な大友克洋。


「ベィビィバース」 2 美樹本晴彦 講談社



前に「もしかしたら絵が古くなったのでは・・・」
なんて書いてしまいましたが、うーん、やはり萌え絵ではありますね。
この話って、ものすごく簡単に言っちゃえば魔女っ子ものです。
絵が翔びすぎて状況がわかりにくく、話もよく見えません。
クリーチャーもしっかり描かれてはいるのですが、個人的には
きたないものは見たくない
という感じで、綺麗な画面の中に浸っていたいです。
また、以前日記で取り上げました
知り合いの女の子アシスタント疑惑」も未確認のままです。


「鋼の娘」 近藤よう子 詳伝社



悲しみを紛らわすとき、聴けば良い音楽には3種類あります。
、アップテンポでクールな歌詞、出来事を客観視させてくれるもの
,悲しい気持ちそのものを歌うもの、自分だけじゃないと慰めてくれるもの
,恨み節、演歌、そこまでは・・・と少し安心、立ち直れるきっかけをくれるもの
この方は2と3の間位でしょうか。
このお話は、どこの家庭にもありそうな微妙な痛みを描いています。
作者は年齢的には私より年上の筈ですが、適齢期の女性に心理を
決して過去の思い出としてではなく、今の痛みとして内側から描いています。
この感性を維持できる事がすごいところですね。


「サクラテツ対話篇」 下巻 藤崎竜 集英社



なんだか変なタイトルだと思ったら、「ソクラテス」のもじりだったんですね。
登場人物の名をいろんなものから取ってくる手法はよくありますが、
哲学を使うなんてとんでも無いです、
サブタイトルもワケ分かんないし、キャラデザといい、ストーリーといい、装丁といい
計り知れないオシャレ感が漂います。
しかも、唐沢兄弟バリの実験手法まで・・・・・・。
こにくたらしいですね、まったく。
これは次回の大作に期待するしか無いでしょう、まったく。
とんでもないやつ。


「フェイド・アウト」 1 いけだたかし 小学館



霊界と現世を行き来できる能力を持つ「幽霊族」の血を受け継ぐ、女の娘のお話
絵的には「高橋しん」の「いいひと」的は感じです(アシだったそう)。
案外と、この絵が最も時代に合っているのかも知れませんね。
ちょっと哀しくて安らぎます。
幽霊族」というのは、確か鬼太郎のお母さんがそうだったと思うのですが、
関係は・・・・・無さそうですね。
不思議テイストで、いやし系にはアカマル上昇中。