8月マンガレビュー


「家政婦が黙殺」 篠房六郎 ビブロス



えっと、これはもらいもんです。
この方は、アフタヌーンで「空談師」を描いておられるんですが、出身はエロ系だったのですね。
しかしエロくない上(ギャグの人です)、ただでさえ売れない短編集とあって、
メジャーの後押しがなければなかなかこういう本は出てきません。
うちの田舎では全く見かけませんでした。地方都市どこも同じ様なものでしょう。
絵は抜群に上手く端正、ギャグセンスもすっとんきょうイカスんですが
如何せん、「北道正幸」(ぽちょむきん)に似ています(私見)。
ゆえにアフタヌーンの連載は編集のバイアスが強くかかっているそうです。
先やったモン勝ちな部分で損をしていますね。
なんでもこなせそうな器用な面が、かえって仇とならないよう祈るばかり。
もっといろんな側面を見てみたい人です。
HP


「裸のふたり」 カイトモアキ 河出書房新社



えー、帯のアオリにもありますが、まさに奇書です。
オカルティックな話ではないのですが、かなりショッキングなホラー・・・・とジャンル分けして良いか・・・。
極端にキレる学生と、関わり合いを極力避ける女教師のお話。
しかし、普通想像出来るようなストーリーには進みません。
というより、登場人物全てヘンで、感情移入出来る余地がありません。
思いっきり下手な絵で、パラノイックな斜線と感情過多な怒りの表現。
きっとこの人はマンガ家になりたいのではなく、描かずに居れないなにか・・・・どす黒いものを
いっぱい胸に抱えていたのでしょう。マンガは手段に過ぎないとと思います。
もちろん読後感もスッキリしません。
ただ解ることは、きっと通り魔で無差別大量殺人とかする人には
世界はこのように見えるんだろうな・・・・ということです。
怖いもの見たさの方にはお奨めです。


「いちご100%」 1  河下氷希 集英社



この落差。
一ジャンルの中でこの落差こそがマンガを日本を代表する文化・・・たらしめているのです。
このパンチラに、メガネに、心揺さぶられない人類は存在するのでしょうか(男限定)。
意味なんか無くていい、必然性もなくていい、
少年誌ゆえの限定された見せないエロスを堪能するべし。


「巨人獣」 1 石川球太 ダイソー



かなり古い作品です。
かれこれ35年位前になるでしょうか、子供心に強く印象に残っていたお話なんですけど、
再版はほとんど無いと諦めておりました。
まさか100円ショップのダイソーから出るなんて!時代ですね。
お話は「カフカ」の「変身」みたいな不条理なもの・・・・・ひたすら巨大化する男の話です。
当時「石川球太」といえば「動物もの」の第一人者だったのですが、このようなSFも描くのかと驚いた覚えがあります。
これはマンガ史に残る名作ですから、皆さん買って読んで下さい。
100円ですし。
他にもいっぱい出ていますが、ラインナップがヘンダイソー
これは単に版権が放棄されているせいなのか、それとも社長の趣味なのか?!
なにか濃すぎる意図を感じます。
このラインナップにダイソー侮り難し!快進撃はまだまだ続くと経済分析してみたりして。


「氷壁の達人」 1 神田たけ志 ダイソー



これもダイソーです。
神田たけ志といえば「御用牙」と「雀鬼」でおじさん達には有名ですが、
昔はこのような「登山もの」も描いていたわけです。
で、名作です。これ以前にほとんど山の話をリアルに描いたマンガは知りません。
だいたい「山男」と「マンガ家」ほど遠い世界に住む者は無いでしょうから、
このような話を描けたこと自体が奇跡のようなモノです。
私の記憶では、原題は「ドシドーシ」だったと思うのですが、
まぁこれでは意味が解りませんね。
ドシドーシの意味は・・・・ま、買って読んで下さい、100円ですから。
このマンガシリーズが売れるとなると、また出版業界にとっては脅威ですね。
たった100円で得られる感動にしては安すぎますから。
ちなみに、2巻まで出てますが未完です。
怒らないように。