マンガレビュー4月

「DEAD SPEACE」 SUEZEN 幻冬舎



透明な描線、挑戦的な、この美しい絵を描く人は男なのか女なのか、
ずっと疑問に思っていました。
この作品ではっきりしたような気がします。
です・・・・きっと・・・・多分。
これまでの作品と一線を画すいやらしさの正体は、男の視線以外にありえないでしょう。
惨殺された女郎のホルマリン浸け死体、幽霊、血筋の因縁、
文字で書くと淫猥で凄惨な描写のはずなんですが、
この方が描くととてもきれいな話に思えるのが不思議
この巻一巻でそれなりにまとまっているのに、まだ続くんですね。
どう展開するのかも楽しみです。


「Mr Clice」 4 秋本治 集英社



集英社苦手な私にとって、数少ない読める作家の一人です。
しかも大通りのような連載作品より、こんな短編が好きです。
「理屈抜きに面白い」の典型例でしょう。
銃器や兵器への思い入れよりも、ウケを優先するおバカ加減がステキ。
クリスの胸がどんどん大きくなるのもステキ。
男に戻るという当初の目的は、周りも本人ですらも忘れ去られているようです。
たったの4巻ですが、永い期間とインターバルがあるにもかかわらず、
全くそれを感じさせないところもステキ


「メグミックス」 1 倉島圭 秋田書店



なんとも表現しにくい、ヘンなテイストの四コマギャグマンガです。
マンガは「絵」が主ですから、こんなにセリフだけの掛け合い漫才をやっていたのでは、
手塚先生ならばきっとお叱りになる事でしょう。
主人公「メグミ」の設定は毎回違うのですが、その表情はまるでスタンプを押したように一定。
ほとんどのコマがバストアップかツーショットで構成され、しかも顔が95%左向き
(強いて似ている表現を探すなら「ビーバップ・ハイスクール」ですか。)
無機質な絵で徹底的にボケ、どおくまんバリの崩れキャラで徹底的にツッコミます。
下ネタもバリ有りです。
必ず出てくるドクロが意味ありげで、うかつに「つまらない」と言えない雰囲気が漂います。


「楽園までもうあとちょっと」 1 今市子 芳文社



うー、騙された、お奨めの今市子だから素通しで買ったらヤオイじゃん!
花音」と小さく書いてあるのに気付かなかった。
ゴメンナサイ、「全男人口の80%はホモ」が約束事みたいな世界には馴染めません。
まぁ、ロリでもいきなり処女が喘いでますがね。
そこにさえ行かなければ、やっぱりこの人は上手いなっと思います。
ストリーテラーとして。


「秘密」 1 清水玲子 白泉社



十二月発刊なのに、入手遅れましたら既に5刷でした。
やはりこの人は、男性にも自信を持ってお奨めできる女性マンガ家です。
とにかくSF的アイデアが秀逸、女性特有の「直感によるひらめき」を感じます。
男ならおそらく、アイデアの論理的矛盾を消去法で考えますが、
きっと女性は「より面白いのはどちらか」の方が優先なのでしょう。
死者の脳に残る画像の記憶を再生することによって犯罪捜査に生かす。
その技術面よりそんな方法があったら人の心理はどう動くか、
この興味のベクトルの違いが、男女のSF観の違いです。
同じ「センス・オブ・ワンダー」でも、ずいぶん異なるものです。